この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
Sさんは造船所での作業中に労災事故に遭い,後遺障害5級(労働能力喪失率79%)に認定されましたが,会社側の賠償額の提示に納得できず,事務所に相談に来られました。
解決への流れ
当職と同じ事務所のもう一人の弁護士とで受任して会社側の弁護士と交渉し,遅延損害金や弁護士費用以外はほぼ裁判で完全勝訴した場合に近い額での和解を勝ち取ることができました。この事件の場合は,会社からすでに医療費等含め4000万円近い額が支払い済みであったので,損害の総額約1億2千万円から既払い分の4000万円を控除した8000万円を会社が支払うことで和解が成立しました。
激しく争った事件ばかりを紹介してきましたが,弁護士が介入することであっさりと好条件での和解に持ち込める場合があります。Sさんのこの事案はまさにそのような事案で,事故態様や後遺障害の内容・程度について双方に争いがなく,相手の会社にも(大企業だったので当然ですが)労災について知識のある顧問弁護士が付いている場合は,争っても意味がないことは相手にも分かっているので,無駄に時間と費用を掛けて裁判することなしに,好条件での和解に持ち込めることがあります。ただし,このような争いのない事案でも,知識不足から労働者が不利な和解を飲まされることはありますので,「ハンコを押す前に」ご相談を。