この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
酒席で同席した会社の顧問に失礼な口をきいたという理由でいきなり解雇された方からのご相談。これまで数年間にわたって会社に貢献してきた上,営業成績も良好であったにもかかわらず,酒席で同席した顧問の方に対する言動についてその顧問の方から後日クレームが来たということで解雇されてしまった。なお、顧問の方に対する言動についても,暴言というわけではなく,むしろその方の暴言を嗜める程度のものであった。
解決への流れ
労働審判を申し立てて、解雇の無効および解雇によって働けなかった期間の未払賃金の支払いを求めた。相談者としても、上記理由で解雇するような会社にそのまま勤務し続けるつもりはないというお気持ちだったので、労働審判では退職を前提に交渉をし、結果、会社が給与9か月分を解決金として支払うことを条件に円満退職に応じた。
解雇は、良くも悪くもその労働者の生活を破壊するものですから、簡単には認められません。例えば素行不良があるといっても、一回や二回そんなことがあっただけであれば、そのことだけを理由に解雇しても、その解雇は無効となることがほとんどです。解雇が認められるためには、その人に対して注意指導をしても改善の見込みが無いと言えなければならないのです。ましてや本件に関しては、顧問先からクレームが来たと言っても、客観的に見れば相談者の言動には問題がない事案でした。そのような事案では、そもそも素行不良には該当しません。解雇無効となるのが当然の事案であったと言えます。