この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼者は、県立高校の教諭でしたが、ある夜にお酒を飲んで眠り、翌朝に車を運転したところ、警察に酒気帯び運転で検挙されたため、これを理由として勤務先の高校から懲戒免職を受けてしまったということで相談にいらっしゃいました。懲戒免職と同時に、退職手当不支給の決定もされたため、このままでは人生設計が狂ってしまうという深刻な相談でした。
解決への流れ
代理人として、懲戒免職の取消しを求めて県人事委員会に審査請求をしたところ、懲戒免職の取消しという裁決を勝ち取り、依頼者は無事に復職することができました。裁決では、飲酒から運転までに約9時間が経過しており、アルコール濃度も酒気帯び運転の中で最も低い数値であったことなどから、本人の不注意の程度は重大ではないと判断されました。また、部活動指導に熱心で生徒からも慕われていたという事実も認められましたので、ご本人にも、支援をいただいた生徒や保護者の皆さまにもとても喜んでいただけました。
取消請求先の県においては、県立校の教諭について、裁決で飲酒運転による懲戒免職が取り消されたのは初の事例とのことです。もちろん飲酒運転は許されることではありませんが、その程度も事情も様々なので、一律に懲戒免職とされてきたこれまでの扱いに一石を投じることができたのではないかと思います。