この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
ご依頼者様が経営する株式会社は、ご依頼者様のご親族を従業員として雇用していました。しかし、その親族従業員は、甘えから、経営者であるご依頼者様の業務上の命令に従わず、業務怠慢を繰り返していました。そこで、ご依頼者様は、苦渋の決断で、親族従業員を解雇することとしましたが、親族従業員の代理人弁護士から不当解雇等で労働審判を申し立てられ、慰謝料として、1年分の給与相当額(数百万円)の請求を受けました。
解決への流れ
本件では、親族従業員を解雇した手続きの相当性が問題となりましたが、労働審判では、解雇の正当性をしっかり裁判所に説明することで、裁判所を味方につけ、当初、ご依頼者様が想定していた給与2ヶ月分の金額で和解を実現しました。また、ご依頼者様は、当該親族従業員に対して別途貸付があったため、この貸付金の返済を免除することをもって、和解金の支払いに代えることとしました。加えて、当方で確認したところ、会社の使用者賠償責任保険が適用できる可能性があることが判明し、保険会社と交渉の結果、当該貸付金分も保険金で補填してもらえることになりました。結局、ご依頼者様の会社は1円も支出ことなく、むしろ返済を諦めていた貸付金分の回収もできたうえで、親族従業員との縁を切ることができました。さらに、今回の件をもとに、雇用環境の重要性を認識したご依頼者様は、その後、雇用環境改善に着手され、当事務所はその際に助成金申請や就業規則の整備のサポートをさせていただきました。
労働問題のうち、不当解雇の問題は、労働者側を守る法律・裁判例が強固なため、会社側が解決金等の支払をすることなく、解決するのが難しい案件です。その中でも、当事務所は、事実関係をしっかり主張・立証することで、ご依頼者が納得する結果となるよう最大限の努力を行います。加えて、本件では、和解後、相手方に支払った和解金や弁護士費用に対して、保険適用が可能であることがわかったため、保険内容の確認、保険会社との交渉も当職で行い、無事、保険金の支払を受けることができました。これにより、ご依頼者様も、ムダな支出を最小限にできたうえ、半ば諦めていた親族従業員への貸付金も実質的に全額回収に至りました。さらに、今回の労務トラブルを解決するのみならず、ご依頼者様の希望に沿うよう就業規則の整備や雇用環境整備のための助成金申請をサポートし、より強い会社作りのお手伝いをさせていただきました。当事務所では、裁判に勝つこと・勝訴的和解をとることは、手段や通過点としか考えておりません。大切なのは、依頼者様が法的トラブルからいち早く抜け出し、より力強く事業を推進するためのより良い解決策を探索・提案し、実現することと考えております。