犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

65歳超で雇止めされた労働者につき、およそ月給1年半分の解決金を獲得

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影山 博英 弁護士が解決
所属事務所影山法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

60代 女性

相談前の状況

相談者は勤務先に60歳になる前から勤務しており、65歳を過ぎても継続雇用されましたが、その数か月後に「雇止め」されました。65歳到達後の面談時に定年退職を告知されるとともに3か月の有期雇用の契約書を提示されて調印しているという経緯があり、1回目の更新時の更新拒絶だから適法な雇止めだというのが会社の主張でした。

解決への流れ

相談者は60歳到達後に雇用期間1年、再雇用65歳までとする労働条件通知書の交付を受けており、その時点で定年後再雇用されたものと考えられました。そうすると、5年以上にわたって有期雇用契約を反復して更新してきたことになりますし、現に65歳を超えて一度は雇用されていますので、更新期待の合理性は認められると思われました。そこで、労働契約19条に基づく更新がされているものと主張して復職を求めましたが、会社は、なかなか応答しませんでした。当初は、労働審判を申し立てる予定でしたが、会社の反応に照らすと会社側が譲歩して調停成立に至るか怪しいと思われ、本人と相談のうえ、本訴提起に方針変更して提訴しました。訴訟での会社の対応も緩慢なもので、審理には時間を要し、尋問を実施したのは雇止めから1年半以上経過した後でした。それまで和解を拒否していた会社側でしたが、尋問期日当日に裁判官から説得を受けて軟化し、当方も一定の譲歩をして、およそ月給1年半分の解決金の支払いを受けることで退職を認める内容の和解に至りました。

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影山 博英 弁護士からのコメント

ご本人は復職に拘らない意向であったこともあり、早期解決の観点から労働審判の申立てが適当と判断してその方針で受任したのですが、会社側の対応が緩慢で早期解決の見込みが怪しくなる中、本訴に方針変更し、結果的に労働審判で得られたであろう解決金をはるかに上回る額の解決金を得ることとなった事案でした。訴訟中、早期の和解を希望するかご本人に何度か確認しましたが、その都度、必ずしも解決を急がない、という意向を示されたこともあって、審理は判決の一歩手前という段階まで進むこととなり、時間がかかった分、金額は増えた、という経緯です。ご本人の置かれている環境にもより、どのような方針が適切か、一概には言えませんが、経済的利益を追及する観点からは解決を急がないことに合理性がある場合もあることを再認識した事案でした。