この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
建設現場でクレーン車を操作していた作業員が誤操作をしたため、依頼者の手指が吊り上げられ、神経断裂、骨折等の傷害を負いました。治療しましたが、指の動きに障害が残り、後遺障害10級の6の等級認定を受けました。事故直後から、事業主は元請会社に迷惑がかかるのを恐れ、虚偽の事故態様で労災保険を申請させていました。また、労災保険からの給付金の他には、不十分な額の支払しかしませんでした。
解決への流れ
依頼を受けて賠償額の交渉をしましたが、事業主が応じないので、裁判所に訴訟提起しました。争点は事故態様(過失割合)と損害額でした。裁判所は当方の主張を認め、依頼者に過失は一切ない内容の和解案を提示し、裁判上の和解が成立しました。最終的に依頼者は、労災保険からの給付金のほかに、事業主から約1500万円の支払を受けることができました。
労災事故の場合、労災隠しや諸々の事情から虚偽の事故態様を申告させる事業主は少なくありません。このような場合、後に本来の労災給付や賠償が受けられないこともあり得るので、不信感を抱いたなら、早めに弁護士に相談することをお勧めします。