この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
別居中の妻が、面会交流中に子ども(当時0歳)を連れ去り、その後、子どもは児童相談所に保護されました。双方が限られた条件の中でしか保護中の子どもと面会できない中、双方が子どもの親権獲得を目指し、調停で離婚に向けた話し合いが行われた事案です。
解決への流れ
子育てをしながらの仕事が可能であること(在宅勤務が可能であり、就業時間に融通が利く)や両親のサポートがあることなどを丁寧に説明し、父親による監護が問題ないことを明らかにしていきました。その結果、家庭裁判所の調査官から、父親の方がより監護態勢を整えているとの意見が出されました。この意見をふまえ、父親を親権者とし、母親には面会交流の機会を手厚く保証することで調停がまとまり、離婚が成立しました。母親と子どもの面会に関しては、二度と連れ去りがないよう、第三者機関の利用を条件とするなどの工夫をしました。
子の親権に関しては従前より、母性優先の原則により母親が有利などと言われてきましたが、裁判所の考え方も変わってきているように思います。丁寧に、父親による監護が可能なこと、むしろその方が子どもにとってもふさわしいことを立証していけば、父親が親権を獲得することも十分可能です。ご本人の親権獲得に向けた姿勢と覚悟が裁判所に伝わった事案と思います。