この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
以前,万引きで有罪判決を受け,執行猶予中であったにもかかわらず再度万引きをして逮捕されたという方のご家族からの相談です。執行猶予期間中の同種犯罪ということで,実刑判決相当の事案でした。当事務所へのご相談前に,別の法律事務所にご相談をされたそうですが,実刑判決相当の事案で,「できることがない」と断られたところ,当事務所にご相談に来られ,弁護活動を行うことになりました。
解決への流れ
逮捕後,逮捕当日に被害品を買い取り,逮捕翌日に被害店舗に謝罪を行いました。同時に,逮捕翌日に検察官に対して勾留請求しないよう働きかけました。検察官による勾留請求はなされましたが,裁判所に対して勾留請求を却下することを求めると共に,被害店舗と示談を成立させ,示談書を証拠として提出しました。裁判所は,勾留の理由がないと判断し検察官の勾留請求を却下した結果,逮捕から60時間程度で身柄は釈放され,お勤め先への欠勤も最小限に留めることができ,勤務も続けることができるようになりました。その後は普段どおり会社に勤務しながら検察官の処分を待ちましたが,その間,再犯を防止するために行うべき行動を明らかにし,実践することで,社会内での更生が十分可能であり,かつそれが妥当であることを検察官に主張した結果,略式裁判で罰金刑となりました。
ご相談頂いた当初は実刑判決が見込まれた事案ではありましたが,そのときどきで,「できることを,可能な限りやる」というスタンスを貫き,諦めずに活動した結果,御本人,ご家族にとって有益な結果を残せたのではないかと思っています。特に小さなお子様がいらっしゃったため,なんとしても実刑だけは避け,二度と同じような事件を起こさないよう,社会内で復帰,更生していく道を歩んでいただきたかったため,結果が残せてよかったです。見通しが明るくなくても,あきらめずに活動することが大切だと,改めて実感した事件でした。