この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
相談者の妻が、勤務先で上司と不倫関係にあることが発覚し、別れさせたうえで慰謝料請求をしたいとのことで、相談にいらっしゃいました。事情を聞いたところ、不倫相手にも奥様がいらっしゃるとのことで、奥様に不倫が発覚した場合には、奥様から相談者の妻に慰謝料請求がなされる可能性がありました。そのため、相手方の奥様には不倫の事実が発覚しないよう、裁判ではなく交渉で不倫相手と話を進める必要がありました。一方、不貞行為の確実な証拠が存在しなかったため、交渉を有利に進めるため、不倫相手が言い訳ができないような証拠を固める必要がありました。
解決への流れ
本件は、不貞現場の写真等があるわけではなく、証拠関係が不十分という問題がありました。そのため、まずは相手方が言い逃れできないように、相談者の妻に来てもらって事実関係を確認する等、証拠の収集を図りました。その上で相手方を呼び出し、本人も認めているし、裁判にしても双方にメリットがないことを説明し、早期に慰謝料の支払いを認めさせることに成功しました。
不貞行為の相手方に対し慰謝料請求をする場合、証拠がそろっているかどうかで、交渉や裁判がスムーズにいくかどうかということが大きく変わります。特に交渉で早期に解決するためには、相手方に対し反論しても無意味であると悟らせることが重要で、そのためにも証拠の有無は極めて重要な要素と言えます。もっとも、必ずしも不貞現場の写真といった客観的な証拠が存在しなくても、いろいろな間接事実を積み上げて(要は外堀を埋めて)、相手方に不貞の事実等を認めさせることは可能です。まずはお手持ちの資料や証拠を持って、他にどんな証拠があれば、交渉がスムーズにいくのか、裁判で勝てるのか、弁護士に相談してみるのがよいと思います。