犯罪・刑事事件の解決事例
#相続放棄

【息子(依頼者):相続放棄/母親:破産申立/兄弟:相続放棄】ファミリー企業の清算と借金を含めた相続整理の案件

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馬場 信幸 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人鈴木&パートナーズ法律事務所
所在地東京都 港区

この事例の依頼主

30代 男性

相談前の状況

相談者:長男被相続人:父親相続人:相談者(長男)、母親相続対象:自宅・父親の事業から出た借金ご相談者(長男30代)の父親が地方で魚屋を経営しておりました。小規模の家族経営で細々と経営していましたが、近くに大型スーパーが進出して、売り上げが激減し、店の営業を続けるために借金を重ねることを余儀なくされました。魚屋の経営は赤字続きでしたが、ある日父親が体調不良で入院してしまったことで、店の営業ができなくなってしまいました。家族企業であったため人員の欠如は大きな痛手でした。父親が入院してから、母親が店を営業することも考えられましたが、先行きも怪しく母親の決断で店をたたむことにしたのです。そのタイミングで依頼者は弁護士への相談を決意。依頼者は、複数の弁護士を調べられた上、幣事務所(鈴木&パートナーズ法律事務所)に「店をたたむことにしたのだが、蓋を開けてみたら数千万の借金があり、この借金をどのように整理すれば良いのかわからない。加えて、父親の体調も良くなく早急に債務の整理をしたい」と依頼されました。とても丁寧かつ分かり易い説明を聞けたことが選択の決め手だったようです。

解決への流れ

受任後、早急に債務整理の手続きを開始しましたが、急に父親の体調が悪化してお亡くなりになってしまい、借金が相続の対象になってしまいました。相続人である母親と相談者の長男は当然、返済することができないので途方に暮れてしまいました。弁護士はすぐに現状を可視化して、当事者ごとに解決策を考え抜きました。まず、相談者(長男)に関しては、自宅を所有していたので、破産ができる状況ではなかったので、相続放棄の手続きを迅速に行いました。相談者の相続放棄によって、亡くなった父親の兄弟が次の順位の相続人となってしまうので、親族間トラブルに陥らないため、弁護士が父親の兄弟についても、今回の相続に伴う相続放棄のお力添えをしました。相談者と父親の兄弟が相続放棄をした段階で、母親には借金も含めたすべての父親の遺産が相続されることとなります。最終的には、弁護士が母親の自己破産を申請することで、すべての相続人の利益になるような債務の整理が完了をしました。

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馬場 信幸 弁護士からのコメント

今回は「相続放棄」に加えて、相続人の自己破産という複合的なケースでした。一般的に、借金を抱えた人の相続に関して、相続放棄は有効な手段ですが、意外と見逃されてしまうのがその後の対応です。相続放棄をした場合の次の相続人が誰なのかを把握して周知させないと親族間トラブルに発展します。なぜならば、相続放棄をした場合、次の順位の相続人(本件では、亡くなった方の兄弟)が発生してしまうからです。そして相続放棄の期間は原則として死亡を知ってから3ヶ月なので、親族が予期せぬ借金を抱えるといったリスクも考えられます。当事者だけでの解決は、親族間で感情的な対立し膠着状態になることもありますし、思わぬリスクが発生することがあります。専門家である弁護士に早い段階で相談をし、実務だけでなく他相続人のケアも含めて活用することをお勧めいたします。