この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
Fさんは、奥様とご結婚され、住宅ローンを組んで自宅を所有されていました。お子様も生まれ、順調に生活をされていましたが、体調を崩されることが多く収入が減ってしまったため、クレジットカードを利用して生活を成り立たせるようになりました。しかし、クレジットカードの返済額が大きくなり、返済が苦しくなってきたことから、住宅ローン特則付の個人再生手続を希望され、当事務所にご来所されました。
解決への流れ
Fさんの家計状況をお伺いしたところ、住宅ローン以外の債務を圧縮すれば十分返済していける状況でしたので、Fさんのご希望通り、住宅ローン特則付個人再生の手続きを進めることになりました。ところが、ご依頼から2カ月ほど経過したとき、Fさんの奥様から連絡がありました。Fさんが病気で亡くなられたとのことです。そうなると、Fさんの奥様・お子様が借金を相続しますので、奥様・お子様から改めて手続きのご依頼をいただきました。ただ、住宅ローンはFさんが加入していた団体信用生命保険で全額弁済されましたので、奥様・お子様が相続されたのは、住宅ローンのなくなった家と住宅ローン以外の借金だけです。家の価値が相当あるため、自己破産や個人再生ではなく、任意整理で手続きを進め、最終的に住宅ローン以外の債務は将来利息を0%にして和解できました。
Fさんが亡くなることで、住宅ローンは保険で支払われ、他の借金だけを相続することになった事案です。Fさんが亡くなられたのは残念ですが、残されたご家族は今まで住んでいた住宅に住み続けることができ、残る借金の負担もそれほど大きくなりませんでした。借金をしていたご家族が亡くなったという時には、本件のように相続人が借金の返済をしていくパターンや相続放棄の手続きを行うなどのパターンが考えられます。それぞれの方の状況に応じた手続をご提案しておりますので、借金を相続して困っているという方は一度弁護士にご相談ください。