犯罪・刑事事件の解決事例
#遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)

【遺留分侵害額請求】生命保険金を遺産に持ち戻すことを認めさせ、遺留分とし て約1500万円を取得した事例

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山本 哲也 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人山本総合法律事務所
所在地群馬県 高崎市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

Dさんのお母様が亡くなり、相続人はDさんを含む5名でした。相続人のうち1人が遺言執行者となり、公正証書遺言に基づき、遺言が執行されました。しかし、Dさんが受け取った金額は、遺産総額と比較し少額ではないか?と疑問に思われ、ご相談にいらっしゃいました。遺言内容・相続税の申告書を確認すると、お母様が亡くなった後に発生した生命保険金の割合が大きい事が分かりました。原則、生命保険金は相続財産には含まれず、受取人に指定された方が全額を受け取ることができるものとなっております。本件においては、相続人のうち一部の方が高額な生命保険金の受取人と指定されていました。上記、生命保険金を相続財産として組み込むことができれば、遺留分請求することが可能であると説明をしたところ、ぜひお願いしたいとのことでご依頼となりました。

解決への流れ

遺留分の請求を行うためには、①調停、②訴訟の方法が考えられます。一般的には、調停を申し立て、そこで解決できない場合には訴訟による解決を検討するという流れです。しかし、実務上、本件の争点となっていた生命保険金は原則として遺産に組み込むことができない性質であるため、①の調停を申し立てたところで、話し合いの解決は困難なケースでした。そのため、調停は申し立てず、すぐに訴訟提起を行いました。訴訟提起に際しては、例外的に生命保険金を遺産に組み込んだ裁判例を調査しました。生命保険金を遺産に組み込む裁判例は、いずれも遺産分割に関するもののみであり、遺留分に関する事例を見つけることはできませんでした。しかし、裁判例で例外的に生命保険金を遺産に持ち戻す理由付けを確認したところ、遺留分についても妥当なものであると判断いたしました。そのため、遺産分割に関する裁判例は遺留分も射程の範囲内だということを前提とし、生命保険金が遺産の大部分を占めており、生命保険金を遺産に組み込み遺留分を算定しなければ、相続人間の不公平が著しい、ということを証拠に基づき、詳細に主張いたしました。その結果、裁判所において、「生命保険金を相続財産に持ち戻すべきである」との主張が認められ、遺留分として1500万円の和解案が提示されました。その後は、原告・被告らともに和解案を受け入れ、和解による解決という運びになりました。

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山本 哲也 弁護士からのコメント

一般的に考え、生命保険金は遺産ではないため、遺産分割や遺留分の算定において考慮されることはありません。しかし、遺産に占める割合が多額の場合には、例外的に考慮される可能性もありますので、相続について疑問がある方は相続に精通した弁護士へご相談されることをおすすめいたします。