この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
依頼者は,出産後実家に帰っている時,生後2週間の赤子を抱いてマンション5階から飛び降りる(母子心中)。子は亡くなる。そのこととで殺人の被疑者となった外,夫からは離婚と2000万円以上の慰謝料請求をされる。法律相談に行き,婚姻費用の分担請求と財産分与を受けられるかを相談したが,慰謝料を支払う立場でそのような請求は無理と言われる。当職へ再相談。
解決への流れ
担当医師より解離性障害との診断を受けたということで,当職も,直接医師と面談し状況確認。それを証拠として,刑事は,逮捕勾留は不要,心神喪失により不起訴を主張。結果,逮捕されず,不起訴処分となる。家事は,通常通り婚姻費用分担請求をし,財産分与を求めることをアドバイス。婚姻費用は月16万円で合意。財産分与は,調停で,相手方は,慰謝料があるので0円を主張。最終的に離婚に同意すれば500万円支払うとの提案があったが拒否。訴訟となる。訴訟では,相手方の慰謝料請求は認められないとの当方の主張が通る見込みとなったこと,また,同居期間は約2年8カ月,夫の月収もさほど多額ではなったが,老舗のボンボンということでお金の使い方が荒いことを銀行履歴を示し詳細にることで和解(婚姻費用取得分を合わせると2000万円以上)。立証し(外車等を頻繁に買い替えたりしていた),結果、1785万円の財産分与を得ることで和解成立。
依頼者は,当初,刑事では刑務所に行くことになるのか,家事では,何の金銭獲得もなく離婚となり,さらに慰謝料請求もされるのかと絶望的な状態にあったが,刑事は不起訴,家事でも2000万円以上の金員を得ての離婚となり,大変感謝された。