犯罪・刑事事件の解決事例
#労災認定

【高次脳機能障害】【後遺障害第1級の3】事故から4年後、労災手続・後遺障害申請を行い、後遺障害第1級の3が認められた事案。

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林 征人 弁護士が解決
所属事務所プロスト法律事務所
所在地大阪府 大阪市浪速区

この事例の依頼主

80代以上 女性

相談前の状況

当時、被害者は清掃会社にパートとして勤務されていましたが、仕事中、何らかの理由で階段から転落し、頭部をぶつけて急性硬膜下血腫等の傷害を負い、意識不明となり病院に緊急搬送されました。幸い命に別状はなかったものの、事故後、被害者には左片麻痺や高次脳機能障害等の後遺障害が残存してしまいました。本件事故に対し、雇用先は労災保険に加入しておらず、加入していた傷害保険のみで対応していました。当該保険から数百万円程度の保険金は出たものの、事故後被害者には介護も必要となっていたことから、被害者ご家族は当該保険金額が妥当か、補償として十分か疑問に感じ、当弁護士事務所に来所・ご相談されました。

解決への流れ

当弁護士事務所は、被害者のご家族から現在の状況をお聞きし、身体機能障害(左片麻痺)に加えて、高次脳機能障害も重大であり、証拠を揃えて労災保険に後遺障害申請を行えば重度の後遺障害等級を獲得し、労災年金を受給できると判断。この時点で、事故から4年以上が経過していましたが、労災障害申請の時効(症状固定時から5年)までに申請を行うことが可能であると判断し、被害者ご家族から労災手続・後遺障害申請を受任しました。まず、当弁護士事務所は、元雇用主と連絡を取り、雇用主と協力を得たうえで労災手続を行いました。その後、事故後の通院先からカルテ・脳画像等を取り付け、内容を確認。被害者には事故後に重度かつ長期間の意識障害が認められ、脳画像上も著明な脳室拡大が認められるなど、明らかな高次脳機能障害の他覚所見が確認できました。そこで、主治医に意見書等の作成を依頼し、これらの所見を証拠化。被害者にも改めて主治医の診断を受けて頂き、労災保険に提出する書類を整えたうえで、労災保険に障害申請を行いました。その結果、被害者には本件事故による高次脳機能障害・常時の介護の必要性が認められ、後遺障害第1級の3が認定されました。

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林 征人 弁護士からのコメント

労災事案では雇用先や任意保険からある程度の金額が支払われていた場合、労災を使わないまま処理されている例が少なくありません。労災保険の場合、重度の後遺障害事案(7級以上)が認められると、年金の支給が受けられますので、被害者にとって労災申請を行うメリットが非常に大きくなります。労災保険の障害給付は時効期間が症状固定時から5年と長めに設定されていますので、労働災害で重度の後遺障害を負った方は時間が経過した後でも労災申請を検討することをお勧めします。