犯罪・刑事事件の解決事例
#生活費を入れない . #性格の不一致 . #離婚請求 . #婚姻費用 . #別居

別居後、支払われなかった婚姻費用(生活費)を、弁護士の介入で早期に獲得した事例

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磯田 直也 弁護士が解決
所属事務所ルーセント法律事務所
所在地兵庫県 宝塚市

この事例の依頼主

30代 女性

相談前の状況

依頼者(30代女性・パートタイマー)は、夫(40代男性・会社員)との関係が悪化し、お子様二人を連れて別居を開始しました。依頼者は主に家事・育児を担い、パート収入は少なく、生活費の多くを夫の収入に頼っていました。ところが、別居を開始した途端、夫からの生活費の送金が完全にストップしてしまいました。依頼者が電話やメールで支払いを求めても、夫は「勝手に出て行ったお前に払う金はない」「子どもの分だけなら考えてもいいが、少しだ」などと主張し、まともに応じようとしませんでした。依頼者は、自身のパート収入だけでは家賃や光熱費、お子様たちの食費・学用品代などを賄うことができず、日々の生活に困窮するようになりました。貯金もすぐに底をつきそうで、このままでは子どもたちとの生活が立ち行かなくなると、強い不安と焦りを感じていました。離婚も視野に入れていましたが、まずは当面の生活費を確保することが急務と考え、当事務所にご相談に来られました。

解決への流れ

ご依頼を受けた弁護士は、まず依頼者の置かれた状況の緊急性を理解し、直ちに婚姻費用(こんいんひよう)の請求手続きに着手しました。婚姻費用とは、夫婦が互いに助け合って生活を維持するために必要な費用のことであり、法律上、収入の多い方が少ない方に対し、別居中であっても離婚が成立するまで支払う義務があります(民法760条、752条)。これには、配偶者の生活費だけでなく、同居している未成熟子の生活費(養育費相当分)も含まれます。当事務所では以下の対応を行いました。・婚姻費用分担請求調停の申立て: 夫との直接交渉が困難であること、及び生活費の確保が急務であることから、直ちに家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てました。・適正な婚姻費用額の算定と主張: 弁護士は、依頼者と夫双方の収入資料に基づき、依頼者が受け取るべき法的に適正な月額を算出しました。・早期支払いの実現: 婚姻費用の請求は、生活の維持に関わるため、家庭裁判所も比較的迅速に手続きを進める傾向があります。弁護士は、調停委員や裁判官に対し、依頼者の困窮状況を具体的に伝え、早期の支払い開始(通常は申立てを行った月からの支払い)と、調停成立または審判による早期決定を求めました。その結果、調停において、夫に対し、算定表に基づいた適正な月額の婚姻費用を、依頼者が申し立てた月から、離婚成立または別居解消まで支払うことを内容とする調停が比較的早期に成立しました。これにより、依頼者は安定した生活費を確保することができ、差し迫った経済的な不安から解放されました。[今後の離婚手続きへ]当面の生活基盤が安定したことで、依頼者は安心して次のステップである離婚手続きに進むことができるようになりました。婚姻費用の請求を依頼した当事務所の弁護士が、引き続き依頼者の代理人として、夫との離婚協議(交渉)や、必要であれば離婚調停・訴訟の手続きを進めています。婚姻費用の件で既に相手方の収入や状況を把握しているため、財産分与や養育費、慰謝料などの離婚条件についても、スムーズかつ有利に進めることが期待できます。

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磯田 直也 弁護士からのコメント

婚姻費用の支払いについては、具体的に請求をしたときからの分しか請求できません。悩まれている間に、過去の生活費は請求できないことにもなってしまいます。別居後の生活費のことでお困りの方は、決して一人で抱え込まず、できる限り早く弁護士にご相談ください。当面の生活の安定を図るとともに、その後の離婚に向けた手続きをスムーズに進めるためにも、早期の相談が重要です。