この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
相談者はシングルマザー(子1人)です。元夫から養育費が支払われないため,相談者の給与では月々の収支はギリギリで,小学校高学年である子とワンルームに暮らしていました。相談者は破産申立前に交通事故による示談金として約200万円を受領しました。
解決への流れ
破産申立にあたり,交通事故の示談金について,子のための必要費用を理由に,自由財産の拡張の申立をしました。相談者の暮らしぶりを説明するために,自宅の写真撮影報告書を作成したり,子のためにまとまった金員が必要であることを内容とする意見書を複数回にわたり,管財人に提出しました。結果として,自由財産の総額が99万円を超える自由財産の拡張が認められました。
昨今,裁判所は自由財産の拡張に消極的な傾向にあるように思われたため,当初は自由財産の総額99万円全額すらも認められない可能性も念頭に置いておりました。自由財産総額の上限にとらわれずに,自由財産拡張の必要性を主張したことが功を奏したと思われます。