この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
夫は、長年妻(依頼者)に対して暴力的な言動をしていました。妻は自分の言うことを聞いて当たり前。妻が夫の気に入る食事を作り、夫の衣服を洗濯し、夫の希望どうりの受け答えをするのが、当然。そう考えている夫でした。依頼者は、長年耐えていましたが、子どもが高校生になったのを機に離婚を決意。しかし、離婚を切り出す等、恐ろしくて考えられません。きっと、夫にとっては自分の思い通りに動くはずの妻からの離婚申し出など、許せるものではないでしょう。とにかく、暴力をふるわれることなく、高校1年生の子どもとともに、自宅を出て離婚したい。これが依頼者の希望でした。
解決への流れ
受任後、依頼者と詳細な打ち合わせをし、自宅を出る日を決めました。そして依頼者が子どもと一緒に自宅を出る日、ちょうど弁護士からの手紙が届くようにして、夫に連絡を取ったのです。もちろん、寝耳に水の夫は怒ります。弁護士事務所にも何度も電話がかかってきました。別居後は依頼者の実家などに決して行かないよう、夫を説得し続けました。依頼者には当然、夫からの電話には出ないようにしてもらい、いざという時のために警察にも相談に行ってもらっていました。結局、その後、夫が依頼者のもとへ行くことはなく、調停手続きへ。そして無時、調停離婚が成立しました。
長年、夫の暴力的行為に支配されていると、夫から逃れられないと思いがちです。しかし、自分が本当に素直に生活できる場を、思い描いて下さい。例え、離婚が困難な道でも、まず一歩を踏み出すことが大切です。その一歩を支えるために弁護士がいますので、まずはご相談下さい。