この事例の依頼主
男性
相談前の状況
妻とは性格が合わず、喧嘩が絶えないため、話し合って離婚をすることになりました。既に別居していて、妻は11歳の長男と一緒に実家に戻っています。養育費を支払うことや財産を2分の1ずつ分けることはお互い理解しているので、そのあたりは話し合いができているのですが、妻は、過去に私が小学生の長男に怒鳴ったことがあるため、長男が会いたがっていないと主張して、離婚後二度と長男と会わせないと言っています。確かにも長男がふざけ過ぎた時や危ないことをした時に厳しく叱ったり、お尻を叩いたことはありますが、その時は 妻も気にしている様子はなかったです。離婚の話になった途端に、過去の話を出されて、二度と長男と会うこともできないという結論に納得できません。
解決への流れ
面会交流以外の離婚条件の交渉を行いつつ、面会交流については、調停を申し立てました。調停でも妻は、虐待があった、長男も父親と会いたくないと言っていると主張して、面会交流の求めには応じられないという姿勢を維持しました。このため、裁判所調査官による調査が実施され、父母双方の事情聴取のあと、長男自身の意向調査が行われました。その調査報告では、長男は表面的には父親とは会いたくないと話しているが、妻に対して気を遣っている側面が大きく、本心としては父に対して愛着を持っているとして、面会交流を実施すべきとされました。妻はこの調査結果に納得せず、調停から審判に以降しましたが、審判でも面会交流すべきという結論となったため、面会交流の方法や頻度などの細かいルールを決め、和解が成立しました。以降は問題なく面会交流が実施されているようです。
離婚後に、お子様を監護養育していない方の親(今回のご相談者様)がお子様と会うことを面会交流と言い、非監護権(監護養育していない方の親)には、この面会交流をする権利があるとされています。面会交流する権利が認められている理由は、いろいろとありますが、端的に言うと、両親が離婚をしても、親と子の関係には変わりないということかと思います。面会交流する権利が認められないのは、面会交流をさせるとお子様に危害を与えたり、連れ去ってしまう可能性がある場合など限られた場合のみです。ただ、ご相談のケースのように、親権を取得した親が、面会交流を頑なに拒否する場合は珍しくありません。今回のケースのように、お子様自身が拒否の姿勢を示している場合もあれば、お子様は会いたいと思っていても親権者がこれを許さない場合もあります。その場合には、調停を申し立てるしかありません。それでも面会交流することを認めてもらえない場合には審判に以降します。お子様の年齢にもよりますが、お子様自身が自分の気持ちを伝えられる年齢になると、裁判所の調査官がお子様の以降を調査する場合が多いです。