犯罪・刑事事件の解決事例
#死亡事故 . #慰謝料・損害賠償

死亡事故事件において,当初の提示額より約1900万円増額した事例

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江畑 博之 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人美咲
所在地新潟県 新潟市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

交通事故で亡くなられた方のご遺族からの相談でした。相談時には、まだ相手の保険会社から賠償額の提示はされていない状況でしたが、適正な賠償額で解決して欲しいとのご遺族の意向もあり,ご依頼をお受けしました。

解決への流れ

事故に関する資料と刑事記録を取り付けた上,損害賠償額を算定し,相手方保険会社に提示しましたが,保険会社からの回答は,提示した金額よりも1500万円以上低い金額でした。金額の開きがあまりに大きかったことや,裁判所に適正な賠償額を決めてもらいたいとのご遺族の意向もあり,裁判を提起するにしました。裁判の主な争点は逸失利益,慰謝料,過失割合でした。この内,過失割合については,被害者(亡くなられた方)が道路を斜め横断していた事実を,被害者の過失を決めるにあたって,不利に扱うべきかどうかが争われました。法律上,斜め横断は禁止されていることから,当該事実が認められる場合には,被害者の過失が増加される傾向にあります。この点について,当事務所の方からは,本件事故の具体的な発生状況から,被害者が斜め横断をしていなかったとしても本件事故は発生していた可能性が高いことから,斜め横断の事実は被害者に不利に扱うべきではないと主張しました。その後、裁判所から和解案が提示され,約4500万円の賠償金を獲得することで和解が成立しました。過失割合については,被害者の斜め横断の事実が認定されたことに伴って被害者の過失が増加されたものの,同種の事案に比べれば過失の増加分は少ない結果となりました。また,和解金を算定するにあたっては,通常,判決になった場合にしか全額が認められない弁護士費用や遅延損害金についても,ほぼ全額を認めた金額で和解することができました。結果として,裁判提起前の相手保険会社提示額よりも約1900万円増額することができました。

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江畑 博之 弁護士からのコメント

交通事故に基づく損害賠償の裁判を提起する場合,損害元金の他,弁護士費用や事故日からの遅延損害金(交通事故により生じた損害は,事故発生と同時に損害金を支払う義務が相手に生じるため,事故日から損害の元金に所定の割合をかけた金銭を請求することができます。)も併せて請求します。死亡事故等,損害額の大きい事案においては,弁護士費用や遅延損害金だけで数百万円の金額になることも珍しくありません。しかし,弁護士費用や遅延損害金は,裁判を提起しない限り,相手保険会社が支払うことはほとんどありません。したがいまして,訴訟提起前に示談をするか否かにあたっては,裁判を提起した場合の損害元金の見込みの他,弁護士費用や遅延損害金の見込みについても考慮する必要があります。交通事故の裁判においては,ある程度双方の主張が出揃った段階において,裁判所から和解案が提示されることが一般的です。その際に提示される和解案は,弁護士費用等は一定程度しか考慮されません。本件は,弁護士費用や遅延損害金もほぼ全額認めた金額で和解が成立したため,依頼者にも満足していただくことができました。