犯罪・刑事事件の解決事例
#養育費

10年以上不払いとなっていた養育費を強制執行によって回収した事例

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古林 弘行 弁護士が解決
所属事務所古林法律事務所
所在地東京都 多摩市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

依頼者は、10年以上前に訴訟中に和解によって離婚しており、2人のお子様の養育費についても定めがあった。しかしながら、最初の数カ月だけ養育費を支払ってきたが、以後は一切支払いがなかった。相手はDVがあるため、本人と直接交渉することは困難であり、どうにか回収したいというご希望。

解決への流れ

相手方の銀行口座に対して差押えを行い、相手方が代理人を立てて執行異議と執行停止を申し立ててきたが、最終的に和解によって全額回収した。

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古林 弘行 弁護士からのコメント

不払いとなっている養育費を回収する方法はいくつかありますが、それぞれ困難な事情があります。本件では、相手の銀行口座に対して強制執行(差し押さえ)を行いました。しかしながら、依頼者は相手の口座について把握していないため、ご事情を伺い可能性が高いと思われる金融機関に対して弁護士会照会を行い、事前に口座を調査して差し押さえが可能な口座を発見しました。この口座に対して強制執行を申立てて、回収することができました。もっとも、相手方から請求異議、執行停止の申立てがなされたため、消滅時効によって消滅する部分について争うこととなりました。最終的には、依頼者様と打ち合わせしていた以上の結果で和解することができました。差押えを行うためには、相手方の財産について正確に情報を把握している必要があります。様々な方法がありますが、弁護士が最もよく利用する手段として弁護士会照会があります。ただし、弁護士会照会を利用できる条件などがありますので、必ずしも利用できるという訳ではありません。また、本件では債務名義があったため、スムーズに強制執行を申し立てることができました。養育費を定める場合には、不払いに備えて、相手方の差押え可能な財産の情報(銀行口座や不動産、職場など)を常日頃から把握したり、債務名義をとっておくなどの工夫をしておくとよいです。