この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
夫が弁護士をつけて離婚を請求してきたが、依頼主は離婚するつもりはなく、夫の請求には理由がないと思っていました。しかし、調停まで自分一人で対応して精神的に疲弊していく中で、とうとう離婚訴訟を起こされるに至り、弁護士の助けを求めて来られました。
解決への流れ
夫婦間の出来事を丁寧に追っていくと、夫の請求は、病気が影響して感情が高ぶって起こされたもののように見受けられました。そのため、離婚は相当ではないとの主張を行い、請求棄却の結論を得ました。現在では、夫婦は同居して家族仲良く暮らしています。
今回の事例では、夫が悪意の遺棄等を理由に離婚を請求してきたのですが、丁寧に事情を追っていくと、依頼者は有責配偶者とは言いがたいことが分かりました。もっとも、相手からの請求が無体であっても、離婚した方が良いのか、婚姻を継続した方が良いのかは、別問題です。離婚を認めた上で、あとは金銭問題として解決するという方法も選択肢としてはあったと思いますが、依頼者の希望をふまえて冷静に事案を分析し、判決を求めることにしました。現在も、依頼者夫婦は上手くいっているようです。