この事例の依頼主
男性
相談前の状況
父子関係が非常に良好であったにも関わらず,離婚を求める妻が,ある日突然学校帰りに幼い息子を連れてそのまま極めて遠方の実家へと戻り,父子の面会を拒絶してきました。
解決への流れ
子の引渡しや監護者指定の審判,面会交流調停,離婚訴訟での応酬を経て,最終的に子の親権自体は妻側に帰属することになったものの,一般的な面会交流事例よりも広範な範囲で,「宿泊付きの面会」や「(遠方にくらす)父の自宅での宿泊」,「キッズ携帯を活用した父子の連絡手段確保」等を最終和解で合意することが出来ました。
世の中には,妻子に暴力や暴言を加えるなど,本当に「夫から逃げなければいけない」「子どもを連れて避難しないと危ない」という事例もあれば,そういった事情もないまま,ある日いきなり妻が子を連れて家からいなくなるといった事例も存在します。このケースは後者の例でしたが,とりわけ父子の関係が非常に良好で,連れ去られた子ども自身が最も傷ついており,父親との試行面会の別れ際にも涙を見せていたため,子の観点から見ても,実質的に父子の交流を途切れさせる訳にはいかない事例でした。何より,本件の解決にあたっては,「子の利益を最優先に考えようとする」父親の深い愛情が一番の決め手でした。