この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
ご依頼者は、40代パートタイムでお勤めの妻です。妻は、夫からの精神的虐待(モラルハラスメント)に耐えられなくなり、子どもを連れ別居。離婚調停・訴訟を提起しました。しかし、これまでに受けた夫からの虐待の影響等により、既に長期にわたり精神的に不安定な状態が続いていました。加えて、夫からは子どもとの面会交流を請求されている状況でした。
解決への流れ
ご相談者は、離婚に際した金銭面の条件について不安を持っており、そのため最終決断をできずにおりました。弁護士として、時間をかけて過去の苦しかったことに耳を傾け、今後の人生を前向きに歩めるよう一緒に考えることから始めました。詳細の経緯や心情を詳細に把握したことにより、裁判においても精神的虐待の事実を強く主張することができました。結果、ご相談者は心理的にも落ち着かれ、法律的に認められる離婚条件を受け入れながら将来を考えられるようになり,正式に離婚が成立しました。子供との面会交流については、虐待の事実を踏まえ、当分の間は父と子が直接会うことは行わず、手紙等で交流することとなりました。
女性に限りませんが、離婚事件の当事者は傷つき精神的にも不安定になっている方が大勢います。そのような場合、これまでの苦しかった経験・感情にまず耳を傾け、どうすれば離婚後の人生を前向きに考えられるようになるのかを一緒に考えます。ご相談者が心を整理し、納得した上で法律的な解決に至ることが大事と考えています。今回のケースも、誰にも話せなかったこと全てを吐き出してもらい、まずは心を整理していただき、ご自身で向かうべき道を見つけていただけたと思います。