この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
前月に亡くなられたお父様に借金があったことが判明したが、どの程度の金額を借金しているかわからず、相続放棄をした方が良いのか分からないとのご相談でした。
解決への流れ
信用情報機関への情報開示依頼をして調査しましたが、全ての借金の情報が登録されているとは限りませんでした。単純承認(預貯金などのプラスの財産も借金も全て相続する。)か相続放棄(預貯金などのプラスの財産も借金も全て相続しない。)のどちらの方法によるべきか、相談者様が決めかねていたので、限定承認(預貯金などのプラスの財産の限度で借金を支払えば良い)という選択肢を提案し、限定承認の手続きをとることにしました。
限定承認という方法があるということは弁護士の誰もが知っています。しかし、実際に限定承認という手続きを利用したことがある弁護士は多くないと思われます。周囲の弁護士に限定承認をしたことがあるかと聞いてみましたが、したことがあると答えた人はいませんでした。私にとっても初めての手続きでしたが、法律や文献を調査をしながら適切な方法を調べて進めていき、無事に手続きを終了させることができました。限定承認には、相続人全員で手続きをしなければならないことや、所有していた不動産を取得したいときには適正金額で買い取らなければならないこと、不動産に対して譲渡所得税が発生することなどデメリットもあり、誰にでも使える手続きではありませんので、弁護士にご相談されることをおすすめします。