この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
ご両親が亡くなられて,相続人は子供2人のみ。そのうちのお一人が依頼者です。特に争いがあるわけではないのですが,遺産分割手続が大変なので代行してほしいとの依頼でした。
解決への流れ
相続関係調査(戸籍の取り寄せ等),遺産分割協議書の作成,金融機関との連絡・折衝,不動産の移転登記,電話加入権の移転等を当職で行いました。途中廃棄されている戸籍があるなどしましたので,確かに専門家でない方が行うには大変なところがあったかもしれません。
相続の場合,書類仕事に長けている方であれば,別に専門家に委任する必要はありません。一般の方でやろうと思えばできてしまう手続きですし,実際にそうされる方も決して少なくありません。この「やろうと思えばできる」かどうかの判断については,当職がよくお伝えする基準としては,「法定相続人を明らかにするための戸籍を自力で集められるか」です。これが実は結構大変で,戸籍の記載を読み解き,請求する役所を明らかにし,必要な書類を作成し,小為替を不足なく用意して送付する,あるいは現地に行って折衝する,などが必要になります。もっともこれが出来る方であれば,通り一遍の相続手続きであれば自力で可能なことがほとんどです。もちろん相続人間で争いになったら話は別ですが。この方の場合は,そのあたりの書類作成・提出・収集が難しいので,当職に依頼されたという経緯だったと記憶しています。なお,当事務所では,調査受任として,相続人調査及び財産関係の調査を行うのみとして,その結果から弁護士に委任しなくても解決できそうな場合には調査のみで終了するという形も取っております。