この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
夫との離婚そのものについては双方特に異議はない。しかし、夫婦共有のマンションがあり、その財産分与について相手と揉める可能性がある。そのマンションを買う時に親に援助してもらったので、その分は返してもらいたい。なお、自分が直接話をしたくないので、弁護士に入ってもらいたい。
解決への流れ
マンションを売却後、親からの援助部分、ローンの残債、諸費用等を考慮して、余剰金額を折半することになった。親からの援助部分については、全額そのまま返還ということにはならないものの、特有財産として認められた。
離婚の際に揉めることが多いのが財産分与だと思います。財産分与というのは、離婚にあたり夫婦で築いてきた夫婦の財産を折半にするのです。現金であればそれを折半にすれば足りますが、不動産の場合には、不動産を一方が持ち続けるのか、またそれを売却するのかによっても処理の仕方が違いますし、購入にあたって親からの援助金があるような場合、そもそも特有財産といえるのか、特有財産と言える場合でもどのように金額を決めるのかもめるケースがあります。以下、モデルケースとしてご参考にしてください。・マンション購入価格(諸経費込):5,000万円・親からの援助金(特有財産):500万円・ローンの残債:3,000万円・マンションの売却額(諸経費控除後):4,000万円特有財産は、(売却額4,000万円-残債3,000万円)×(援助金500万円/購入価額5,000万円)=100万円 ※残債控除後の不動産の実質的価格の10%が特有財産夫婦共有財産は、(売却額4,000万円-残債3,000万円)×(1-500万円/5,000万円)=900万円それを1/2にして、それぞれ450万円ずつ取得できるということです。よって、援助金を出した方の取得額は、100万円+450万円=550万円になります。