この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
夫側からの相談です。妻側は、ある日突然、子2人を連れて遠方の実家へと行き一方的な別居が開始されました。妻側は、婚姻費用の調停を申し立て、離婚については申立をしてきませんでした。夫側は、別居から1年以上も、小学生になる子2人と会うことができていませんでした。そのため、離婚調停、面会交流調停を申し立てることになりました。
解決への流れ
妻側は、精神的不調を訴えて診断書を提出し、また夫側は子に暴力を振るっており、面会させることはできない等と主張していました。しかし、診断書には診断名もついておらず、詳細なカルテの提出もなされませんでした。さらに、別居2日前には、妻は一人でどこかへ行き、その日は妻が子2人を夫に預け、夫が1人で子2人と何も問題なく過ごしていました。夫と楽しそうに過ごす子の動画データも調停で提出し、妻側の面会交流拒否が不当であることを主張し、早急な面会交流の実現を求めました。調停委員は、夫に理解を示し、裁判所における試行的面会交流も視野に入れ、妻側に面会交流を実施するよう働きかけました。そして、別居から約1年10か月後、漸く夫は子と面会を実現することができました。また、離婚について、妻側は、決心がつかないという曖昧な回答をし、別居時に預貯金等を持ち出しながら財産分与は拒否するという対応をしていましたが、調停前の妻側からのメッセージで妻側の離婚意思が固かったことを主張し、財産分与として考慮すべき客観資料も提出しました。最終的に、離婚、面会交流、夫側が財産分与で数百万円の支払を受ける内容で調停が成立しました。
子に会えない夫の気持ちを伺い、証拠を踏まえて、調停委員に面会交流に何ら問題がないことを説得的に主張しました。最終的な調停成立前であっても、面会交流を実現でき、その報告を受けたときの相談者様の明るい表情が印象的でした。性別に関係なく、子の福祉を踏まえて、親子の交流を認めてもらえたことがポイントでした。