犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

被相続人の介護や費用支出は本当にあった?寄与分と特別受益を考慮せず遺産分割した事案

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上石 純輝 弁護士が解決
所属事務所田村町総合法律事務所
所在地東京都 中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

被相続人の長男の娘である姪(相談者様)と、被相続人の長女である叔母による遺産分割の相談です。元々被相続人の介護などを巡って折り合いが悪く、双方とも被相続人と同居ないし同一敷地内で生活している時期がありました。当初は、相談者様及びその母(長男の妻)が被相続人の面倒を見ており、同じ敷地にいる叔母に協力を求めても協力が得られない状況でした。その後、相談者様ご家族は転居し、被相続人が亡くなる前数年間は、叔母側が被相続人の面倒を見ていました。双方とも、相手が協力してくれない中で介護をした、被相続人のために費用を支出した、との主張が絡み合い、任意の交渉では解決が困難となったため、叔母側から調停が申し立てられました。

解決への流れ

調停においても、双方が介護や費用負担をしたことを主張し、真っ向から対立していました。もっとも、介護に関しては、要介護認定の資料を基に、双方同程度の苦労があったことは概ね共通理解となりました。また、費用の支出に関しても、被相続人の口座履歴から、それぞれ介護している期間に相当程度の金額の出金もみられ、双方自らの主張を補強する資料が乏しいという事情がありました。そして、価値のある相続財産が、双方不要という不動産しかない中、協力して売却すればある程度の値段がつくことから、寄与分や特別受益を双方考慮せず、協力して売却し、売却代金をそれぞれ取得することで合意に達しました。

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上石 純輝 弁護士からのコメント

折り合いの悪い親族による感情の対立が争いの主たる根源となっていました。相談者様の事情やお気持ちを詳しく聞き取り、調停にて丁寧に主張したことにより、相談者様の気持ちを調停委員にもくみ取ってもらうことで、相談者様自身の苦労を調停委員と共有することができました。これによって相談者様の気持ちが軽くなったことが、最終的な解決への糸口となりました。このような経験からも、相談者様の事情を詳しく聞き取ることを大切にすることを心がけています。