この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
相談者は、夫の精神的DV、子供に対する不相当なしつけなどを理由に、夫との離婚を決意し、ご自分で離婚調停を提起されました。相手方が弁護士を代理人に付けたことを機に、当職にご依頼いただきました。
解決への流れ
争点は、親権、面会交流の問題などがありました。当方としては、大幅に譲歩しているにもかかわらず、相手方に譲歩する姿勢はなく、更に些細な争点を主張され、反論・抗議に相当な労力を要しました。そのため、調停は長期化しました。長期化する調停に疲弊し、諦めかけていた相談者に、最低限死守すべき事柄については絶対に諦めないよう説得し、最後まで譲らず粘り強く交渉を続けました。相手方は、子供の気持ちを考えているのか疑問に思う場面が多々あり、相談者と共に憤りを感じその対応にも苦慮しました。しかし、相談者の子供を思う気持ちに、同じ子を持つ親として共感する場面が多く、熱心に取り組んでいきました。その結果、譲る姿勢のなかった相手方から、最低限死守すべき事柄について、譲歩を引き出し、調停を成立させることができました。
一つ一つの困難な問題に、共に悩み、共に取り組むことで、依頼者と信頼関係を築けた実感がありました。そのおかげもあったのか、最後にはスッキリとした晴れやかな顔を見せていただけたのが印象的でした。離婚調停という慣れない事柄に対峙した場合、長期化すればするほど、依頼者の精神的な負担というのは相当なものになると思います。こういった場面で、依頼者と共に闘うことにより、依頼者の精神的なご負担を少しでも軽減させることが、弁護士の重要な役割のひとつであると、改めて実感した事例でした。