この事例の依頼主
60代 女性
被相続人である夫は、何十年にもわたり、配偶者以外の別の女性と交際をしていた。その女性との間に子どもを設けたまま、病気により死亡した。夫はその子どもに対して全ての遺産を残すという公正証書遺言を作成しており、遺言執行者を名乗る人物から各相続人に対し、異議を述べないように連絡が来たため、弁護士に依頼をした。
双方に家庭を持つことまでは夫の性格からして諦めていたが、無断で公正証書遺言を作成していたことはおかしい。生前、我がままばかりをいって申し訳ないと不貞行為をして、子どもまで設けていたことを反省しており、遺産については、こちらの家族に全て相続させると常々言っていた。夫が病気になって入院するようになってから、相手方らが弱気になっていた夫に対して無理に公正証書遺言の作成を勧めたに違いない。公正証書遺言無効確認の訴えをしたというご主張だった。公正証書遺言無効確認の訴えは、非常にハードルの高い訴訟であることを十分にご説明をした上で、裁判において、カルテや各弁護士会照会等から、被相続人の遺言能力を強く争った。遺言を作成した際の証人や公証人らから、当時の状況が明らかになる中で、遺言能力がなかったことまで立証し切ることはやはり難しいと判断し、受任時の当初の見立てのとおり、遺留分以上の解決金(総額2,000万円以上)を認めさせる方向での和解を目指した。裁判において、カルテや各弁護士会照会等の証拠資料をもとに強く争ったことで、相手方も一定程度折れ、遺留分以上の解決金(総額2,000万万円以上)を認めさせて和解することに成功した。また、何故遺言書が作られたか全く分からなかった中で、各種調査、立証により、相続人が求めていた真実を知りたいという要望についても一定の成果が得られた。
一人ではなかなか解決できない難しい問題が発生することもあります。相続でお困りの方は、まずはお気軽に当事務所までご相談ください。