この事例の依頼主
女性
解決から相当の期間が経ちましたが、この方は今でも覚えているぐらい憔悴された表情でご相談に来られました。その時のお話では、過去の暴力のお話をされ、私も何とか聞いておりましたが凶器を出す等あまりにもひどいもので、聞くに堪えないものでした。それでも当初依頼者様はこのまま離婚に進んでいいか悩まれていたようで、私としては早急に離婚に進むべきと考えましたが、相談できる娘さんがいるとのことでしたので、一度一緒にご相談に来て頂くようお伝えしました。その中で、もう十分我慢したのではないか、その際のご本人のお話では相手方財産をほとんど把握してなかったこともあり、お金も大切ではあるが、早く離婚しないと命にかかわるし、人生が楽しくないと思いますとお伝えしました。それを受けて涙を流しながら、ぜひ一緒にやって頂きたいとご依頼を頂きました。このような経緯でしたので、当初はご依頼者様にご負担をかけないことが何よりでしたので、早急に別居して頂き、その上で何とか交渉でまとめないといけないという使命感を持って進めておりました。
ご依頼頂いた後、おそらく翌日ぐらいに書面を相手方に送付しました。その際に、事前に依頼者様とお話し、相手方から連絡来ると思うので何かあったら私に連絡するようにと直接の連絡は控えるようにお願いしておりました。その約束を守って頂き、すぐに連絡を頂いたのと同時に、私の言ったとおりになったことに対して、感心されるぐらいの余裕は持たれておりました。これも依頼者様と事前に打ち合わせしておりましたが、協議解決の可能性を上げるために具体的な内容を書面にするとお話しておりました。その甲斐が功を奏した面もあり、相手方は早い段階で弁護士のところにご相談に行かれ、その弁護士との協議に移ることができました。相手方弁護士との協議に移った後は、相手方弁護士は相手方本人との対応に相当苦慮していたようですが(依頼者様が大変だろうとお話しておりました)、実際に協議をしていると想定の5倍以上の金額の給付を受けることができ、無事協議で解決に至ることができました。
この事案については、私が言うのもなんですが、私と依頼者様の作戦勝ちだったと思っております。まず、受任の段階で相手方が弁護士に相談に行くよう少し踏み込んだ内容の書面を作成したこと、弁護士依頼後は、依頼者様と相談してこれまでの経緯をなるべく具体的に書いて頂いて、相手方弁護士に事情を把握してもらいました。それを踏まえてかどうかまでは確認できませんでしたが、相当の金額の金員の給付(終わった後に、このお金で当面は大丈夫そうですと言って頂きました)を受けることでの解決ができました。その中で思い出したくはないけど、これで報われた気がしたと言って頂いたことは今も忘れられません。事件終了後も、直筆のお手紙を頂くなど私にとってすごく思い出深い事件です。類型化するのでなく、お客様毎のカスタマイズされた方針の重要さを改めて実感させられた事案でした。