この事例の依頼主
30代
相談前の状況
相談内容①別居した配偶者から婚姻費用の分担調停の申立てを受けている。②同配偶者は同居中から全く生活費を家計に入れなかった上,不貞行為を長期間行っており,それが判明して咎めたところ,出て行ったため,そのまま別居。③破綻原因を作った配偶者からの婚姻費用請求には応じたくないが,裁判所の調停員からは,算定表により算出された通常どおりの金額の支払を言われており,納得できない。
解決への流れ
直ぐに前任の弁護士に代わり,調停の代理人として就任。相手方の不貞行為の存在や経緯,それが別居の直接の原因であることに加え,同居期間中の生活費未払等,態度の悪質性を中心に主張及び立証活動を行う。結果,本来であれば毎月15万円弱の婚姻費用を約4分の1に減額した上で,和解を成立させることに成功。
近時の東京家裁の裁判例を引用し,不貞を行った相手方配偶者からの婚姻費用請求が権利の濫用に該当することを前提に,婚姻費用の大幅減額に成功した事案です。見たところ難しそうな事案でも,一つ裁判例を知っているか,若しくはしっかり調査するかどうかで本件のように劇的に結論が変わることもありますので,少しでも疑問に思われたら,頼れる(実績があり,やる気のある)弁護士の所に相談に行かれるのが良いと思います。なお,本件では,不貞行為を行った証拠に加え,それが別居の原因であることを示す証拠についても依頼者に依頼して十分な量を収集していただき,その点も裁判所及び相手方を説得する上で奏功したと思います。