この事例の依頼主
男性
相談前の状況
私が就労している会社には、「退職後競業他社に就職しないこと」や、「独立して開業しないこと」を条件とした就業規則の定めがあります。しかし、残業代が正規に支払われないので、転職して自分で開業しようと思っているのですが、今後どのようにすればよいでしょうか?
解決への流れ
交渉を依頼した結果、会社の事業所のある地域で開業しないことを条件に、競業避止義務が契約で解除されました。また、未払残業代についても支払われたので、開業の資金にすることができました。
相談者様の希望としては、⑴競業避止義務を明示的に解除してもらい、独立開業すること ⑵未払い残業代を一部でもいいから支払ってほしいことの2点ありました。未払い残業代については、相談者様がかなり詳細にメモを取っておられたことや、ご家族に退社の時間に必ず連絡していたという事情がありましたので、交渉がスムーズにいったという経緯があります。また、競業避止義務については、通常の会社の就業規則ならば入っていることが多いのですが、その規定内容は、場所的・時間的限定が付されていなかったり、問題のあることも多いです。競業避止義務違反が認められるかどうかは種々の判例に照らし、具体的個別的事案ごとに判断しなければなりませんので、弁護士にご相談頂いてよかった事案だったとも言えます。