この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
ウェブ制作会社を営んでいる依頼者が,すでに取引はほとんどなく,破産することを考えていると法律相談を受けたが,会社には財産は全くなく,代表者の依頼者自身にも財産はなく,弁護士費用や破産手続費用(管財予納金 最低21万円)を支払う現預金がない状態であった。なお,法テラスを利用しても,この破産手続費用(管財予納金)の立替を受けることは原則できず,自身で用意する必要があります。
解決への流れ
依頼者が,住宅ローンの残っている不動産を所有していたところ,すでに売却して転居することを考えているとのことだった。そこで,早期に不動産を住宅ローン以上の金額で売却し,転居費用や,弁護士費用,破産申立費用に使用して,破産をすることができた。
通常,不動産は,自由財産(破産しても所持できる財産)には含まれず,仮に住宅ローン残高以上の金額で売却ができても,その残額は,全て債権者に分配する財産として,破産者自身が取得できる財産とはならず,また,売却しなくても,破産申立後に売却されることになります。しかし,破産申立前に売却し,住宅ローン残高以上の金額で売却できれば,その残額を,弁護士費用や破産申立費用,転居費用に使用することが認められていますので,早期に不動産を可能な限り高値で売却することで,破産手続き費用を全て売却代金から捻出することができ,負担を軽減することができます。仮に,弁護士費用がない,という方でも,一度弁護士に相談されることをお勧めします。