犯罪・刑事事件の解決事例
#物損事故

任意保険未加入の法人から賠償金を回収した事案

Lawyer Image
石濱 貴文 弁護士が解決
所属事務所高松丸亀町法律事務所
所在地香川県 高松市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

物損事故ですが、加害車両が任意保険に加入していなかったため、加害者からの賠償金回収をどのように進めるか、いわば債権回収が問題となった事案です。金額的には高額ではありませんでしたが、加害車両が法人名義である一方、実態のつかみにくい法人であり、財産捕捉をどのようにするかが問題となりました。

解決への流れ

訴訟を提起し、勝訴判決を獲得した後に、財産調査に入りました。調査を進めたところ、法人が飲食店を経営していることがわかりました。当該法人は微妙に名称を変えて複数法人で運営していることがわかりましたので、当該飲食店が加害車両の所有者である法人が経営していることを確認するため、飲食店の営業許可に関し、弁護士会照会を行いました。開示を受けた情報から当該飲食店につき、加害車両所有者である法人が経営していることが確認できましたので、動産執行を行い、売上金を押さえることとしました。事前に現地調査を行ったところ、店が毎日開店しているわけではなく、営業日がHP等からわからなかったため、1週間程度現地に張り込みました。結果、特定曜日について開店していることがわかりましたので、当該曜日を執行日として指定し、動産執行を行いました。結果、動産執行に成功し、店舗にたまたま社長がいたため、社長から賠償金の支払を受け、回収を完了いたしました。

Lawyer Image
石濱 貴文 弁護士からのコメント

加害車両が任意保険に加入していない事案の場合、物損に関しては保険金での支払を受けられず、相手本人から直接支払を受けることになります(人損に関しても、自賠責保険の上限額を超える部分については、相手方本人から支払いを受ける必要が生じます。)。そのため、相手方本人からの支払を確保する問題が生じ、相手方本人が支払う意思を示さない場合には、相手方財産の差し押さえを検討することとなります。近時は金融機関の対応変化や財産開示手続が改正される等、方法が増えていますが、様々な情報を頼りに財産を探ることが解決につながります。