この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
官澤綜合法律事務所で解決した事案です。前提として、遺産は自宅のみでしたが長期間放置により相続関係が複雑になっていました。また、依頼者が相続することに協力的だが海外在住の相続人や、調停にも欠席見込みの非協力的な相続人がおり、解決まで時間がかかりそうな状態でした。依頼者の方は高齢で早期解決を希望されており、当事務所が受任しました。
解決への流れ
海外在住の相続人については、印鑑証明書に代わるものとして、居住地の領事官のサイン証明が必要ですが、取得に手間がかかるということで進んでいませんでした。しかし、日本に来る機会があったため、依頼者への相続分譲渡証書に署名をしてもらい、日本の公証人による署名認証手続きを経たことでそちらについては解決いたしました。しかし、非協力的な相続人に関しては、調停においても「法定相続分は欲しい」との回答書のみで出席の見込みはなく、納得してもらうのが難しそうな状況。そこで、まず依頼者には法定相続分に応じた代償金の支払いを了承してもらい、非協力的な相続人には、法定相続分を受け取る代わりに依頼者が自宅を取得するとの審判を行ってもらいました。最終的には短期間で解決することができ、依頼者にも喜んでいただくことができました。
当事者同士の交渉では、うまく協議が進まないというケースがよくあります。また、この事例のように、相続人が多数にわたる場合や、相続人の中に海外に居住されておられる方がいるケースについては、当事者の方が自ら手続を進めていくことはかなり難しいのが実情です。そのような場合でも、弁護士が受任し、必要な資料の収集や手続を行うことにより、スムーズに遺産分割が実現することがありますので、もし遺産分割協議がうまく進展しない場合には、まずは弁護士にご相談されることをお勧め致します。