犯罪・刑事事件の解決事例
#加害者

妻に対してつきまとい行為をする元夫を,現在の夫がナイフで刺した殺人未遂案件

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渡辺 弘 弁護士が解決
所属事務所渡辺弘法律事務所
所在地兵庫県 神戸市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

事件としては、事件の本人(現在の夫)の妻に対し、元夫がつきまとい、事件本人と妻の間の子(乳児でした)についても、この元夫が「俺が好きにしてもええ」などとメールを送ってきて脅迫的な言動を繰り返していたということが背景としてあります。事件当日、元夫が、本人及び妻の家にやってきたとき、本人が元夫に外で話そうと誘い出し、先を歩く元夫の背後から本人がナイフで一突きし、殺人未遂罪を犯しました。

解決への流れ

本人が相手方(元夫)を刺した事実に間違いはなく、殺人未遂罪について刑法が定める刑の重さから言えば、実刑になることもあり得る案件でした。しかし、他方で、妻子を守るためになんとかしようと思った結果、思いあまっての行動だともいえる事件です。殺人未遂事件ですので、法律上、裁判員裁判になります。本件では、人を殺しかけた悪さは認めつつも、他方で、そうしてしまった本人の気持ち、本人・妻共に追い詰められていたこと、元夫の態度の悪さを法廷で訴え、幸いにして、保護観察付きではありますが、執行猶予付きの判決となりました。

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渡辺 弘 弁護士からのコメント

罪を犯せば罰を受けるのは当然のことです。とはいえ、なぜそうなったのか、本人にも有利に受け止めてあげるべき事情がある場合も当然あります。本件では、そこの事情について、丁寧に証人尋問、被告人質問で解き明かし、裁判員を味方につけ、実刑を回避することができました。事件を起こした本人としっかりと向き合うことが大事だと感じた案件でした。