この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
変動金利制の住宅ローンを組んでおり、ローン支払い開始後に金利の見直しが行われて月々の返済額が増加していました。また、2人の子どもの成長に伴って教育費や生活費が増える一方、長引く景気低迷で収入が思うように伸びず、妻のパート収入を合わせても月々の家計は赤字になっていて、銀行ローンなどの借り入れがだんだんと増え、支払いが苦しくなっていました。住宅ローンを支払ったり、生活費の不足分を工面するために、初めは銀行ローンで、次に信販系のカードなどで借金をするようになりましたが、金利が高いこともあり、借金を返済するためにさらに別のクレジットカードや消費者金融で借り入れをするようになりました。その後、仕事を掛け持ちするなどして返済を続ける努力したものの上手くいかず、借金の総額が800万円近くとなり、月の支払い額も10万円を超えて、住宅ローンの支払いも困難となっていました。
解決への流れ
自宅は残したいというご希望でしたので、任意整理か住宅資金特別条項付個人再生を検討することになりました。任意整理では圧縮できる金額が少なく支払いが難しいと考えられたことから、住宅資金特別条項付個人再生を利用することになりました。その後、個人再生認可の決定を裁判所で得ることができ、総額で800万円あった住宅ローン以外の負債は160万円まで圧縮され、それを36回分割、つまり月額約4万5000円で3年間支払えば完済できるということになり、安定した支払いができるようになりました。
住宅ローンの支払いを延滞して保証会社が代位弁済するまでになっていたり、住宅に住宅ローン以外の債権者の担保権が付いていたりすると、住宅資金特別条項付個人再生の利用が困難になる場合もありますので、早期の対応が重要になります。個人再生を行うと、クレジットカードの利用などは出来なくなりますが、住宅を残したままで住宅ローン以外の債務を大幅に圧縮できますので、生活に余裕ができ、借金の支払いに悩まないで済むようになります。ただ、せっかく裁判所の個人再生手続で借金を減額してもらっても、その支払いができなければ意味がありませんので、ご相談者の方の収入や家計の状況も見ながら、可能な範囲で早期に無理のない返済計画を立てることがポイントになります。