この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
ご相談者が借りているアパートの居室(1階)は、部屋の床や壁、衣服などにカビが繰り返し生えてくるような状況でした。これ以上住むことは難しいと考えた相談者は、引っ越しを考えていました。
解決への流れ
私が部屋の中を拝見したところ、室内の湿度が異常に高いことがわかりました。その他さまざまな状況から、カビの原因は、ご相談者が換気を怠っているからではなく、部屋の構造そのものにあるのではないかと考えました。ご相談者は部屋の管理会社に状況を伝えましたが、まったく対応をしてくれなかったとのことでしたので、私は民事調停での解決を視野に、公証人に来ていただき、カビの状況を写真撮影して証拠保全を行いました。その後、裁判所での民事調停の結果、相談者が安心して引越できるだけの解決金を得ることができました。
カビの原因を正確に突き止めるには、本来は床を剥がすところまで考えなくてはいけませんが、賃貸アパートの事案でそこまで行うのは事実上困難と思われました。そのような場合に、他の方法でどれだけ客観的な証拠の保全できるかを考え、実行することが必要です。