この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
外国籍の依頼者からの離婚相談でした。別居期間が6年に及んでいるものの、別居の理由が自身の女性問題にあったために、離婚には応じてもらえず、現在に至っているとのことでした。婚姻費用も相場より大きな金額を払わされているようでした。自身が外国籍であること等にも不安を感じたので、弁護士に依頼したいという御要望でした。
解決への流れ
一般に、有責配偶者からの離婚請求は認められにくいとされるところですが、本件の別居期間からすると認められる可能性があると思われました。交渉から始めましたが、相手方には応じてもらえなかったので、直ちに離婚調停を提起しました。逆に相手方からは、さらなる婚姻費用の支払を求める調停を起こされ、こちらは内容的にはかなり論点の多いところではありましたが、真っ向勝負で反論して時間を稼ぎつつ、離婚調停だけを早めに不成立としてもらって裁判に移行しました。結果、相手方も裁判内で離婚に応じてくれました。
一言に有責配偶者といっても、その背景事情は本当に様々です。もちろん事案によるとは思いますが、一概に有責配偶者だけが悪いとは言えないように感じるケースもあります。この事案はまさにそういう事案でした。他方、別居期間が長い事案ならおよそすべて離婚が認められるというものでもないはずです。結局は、やはりどういう理由とどのような経過で現在に至っているかを、丁寧に解きほぐして裁判所に主張していくしかないのです。早期解決を手繰り寄せるには、第三者的な目線から、どの事実を重視して、どの事実を争うべきか、冷静かつ戦略的に見極めることが大事です。