この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
兄妹のお二人の事件。被相続人のお母様は,長男の妻と養子縁組していたため,相続人は兄,妹,お嫁さんの3人ということが判明。ご相談者様は,長年介護をしてきたご自身や協力者の夫,子どもたちに申し訳なく,兄と兄嫁のところに,自分たちの家の2倍行くことが納得いきませんでした。でも,兄弟でもめるなんて,みっともないということを気にされており,申し訳なさそうなご様子でした。
解決への流れ
ご自宅に引き取っての介護は,一言で済むようなご苦労ではないとお察しします。縁組み自体は有効なので,その点で争っても難しい。ご自身やご家族がお母様に尽くしてきた分については,特別寄与として,主張していきましょう。ご自身の尽力分について主張されることはみっともなくもなんともありません。寄与分について,計算をした上で,協議の際には,ご自身の苦労と主張をしっかりされて良いのです。長年努力してこられたにもかかわらず,お兄様にがめつい妹呼ばわりされて気弱になられていたところですが,そんな必要はないと感じてくださったようで,お元気になってくださいました。現在協議中ですが,協議の他の解決方法も見据えて進めております。
相続は,身内の問題。かつ,お金の絡む問題ですから,第三者に話すことに抵抗がある方は多いと思います。それが弁護士であればなおさら話しにくいというお気持ちも解ります。でも,今回のご相談者様もそうですが,過剰に控えめになる必要はありません。お母様も,何年も世話をしてくれた娘に感謝の気持ちを持ってくださっているはずです。そのお母様のお気持ちの現れが遺産分割と考えて,お母様の生前のご様子を反映した形になるのが理想だと思います。何度も,ご相談していただき,毎回,お話できて安心できました。女性だから話しやすくてと仰っていただきました。