この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
埼玉県内に暮らす相談者は、東北地方で暮らしていた両親を相次いで亡くしました。そのため、相談者は妹と、両親の財産について遺産分割協議をおこなうことになりました。両親には預貯金はほとんどなく、主な財産は、宅地と山林でした。妹は、両親名義の宅地の上に自宅を建てていたため、両親名義の土地の取得を強く望んでいましたが、話し合いがつかず、相談者は遺産分割調停を申し立てました。
解決への流れ
相談者は、妹が代償金をきちんと支払ってくれるのであれば、両親名義の宅地を妹が相続することに反対はしないということでした。妹は、代償金は支払うものの、まとまったお金がないことから、その支払方法が相当長期になると言い、相談者は長期の分割払いには難色を示していました。他方、山林については、相談者も妹も、引き取りを拒否していましたが、相談者としては、今後東北地方に戻るつもりはなく、遠くにある山林に名義が入ることは自分の子にも無用な財産を残すことになると危惧していました。そこで相談者と協議し、山林を妹が相続するのであれば、代償金の長期の分割払いは受け入れるという条件を妹に提示したところ、妹もこれを受け入れ、調停が成立しました。
遺産分割協議に限りませんが、相手方と要求が鋭く対立する場合には、こちらの要求を全て通すことは難しくなることが多々あります。その場合には、相談者の方に優先順位を付けていただき、優先度の高い要求を通すための次善策を考えることも必要になります。