この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
不動産業の会社に勤めています。恒常的に残業をしていますがタイムカードを定時に打刻するよう指導されており残業代が一切支払われません。退職をしようと考えていますが退職前に弁護士に相談をしました。
解決への流れ
退職前に会社から就業規則のコピーを受け取り、営業所から交付されるシフト表を保存し、実際の出勤時刻と退勤時刻を毎日記録するようにしました。退職届を提出し、退職に関する手続を終わらせて、弁護士に残業代請求を依頼しました。労働審判を申し立てました。弁護士と準備して期日に臨んだこともあり、一回目の期日で和解がまとまりました。請求額の満額ではありませんでしたが150万円の解決金を回収することができました。申し立てから2か月程度で満足のいく結果が得られたと考えています。
労働審判は第1回目の期日までに主張や立証を尽くすことが求められています。依頼者様は、求人票、就業規則、シフト表、給与明細書等の必要な書類を紛失することなく保存しており、当職への相談後も実際の出勤時刻・退勤時刻を毎日記録するなどの努力をされていました。実際の出勤時刻や退勤時刻に関する証拠がなく推定的な計算による部分もありましたが、労働審判委員において依頼者様が恒常的に残業をしていた心証を形成することができたことから、依頼者様が満足する水準でスピード感をもって和解することができました。労働審判においては申立てまでの事前の準備が肝要であることを示す事案であったと思います。