犯罪・刑事事件の解決事例
#人身事故 . #慰謝料・損害賠償 . #過失割合

(脊髄損傷)提示額1618万→解決額4000万(2.47倍)2018.12

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小川 政希 弁護士が解決
所属事務所STREAM法律事務所
所在地兵庫県 姫路市

この事例の依頼主

20代 女性

相談前の状況

保険会社は、①事故には被害者にも落ち度があるという主張(過失相殺)、②「現在就労できている」との理由で将来の収入の保証額を減額する主張をしていました。被害者は自動車で直進していました。交差点にさしかかったところ,対向車がいきなり右折してきて被害者の車と衝突しました。いわゆる右直事故(右折車と直進車の事故)です。いきなりの右折であったため,被害者は相手の車を避けようがなく,自分には過失(落ち度)がないとの認識でした。これに対し,加害者および保険会社は,「別冊判例タイムズによれば被害者にも2割の過失が認められる」と主張していました。そこで,過失割合が適正かどうかを念のために確認するためにご来所いただきました。また、保険会社は、現実の減収がなければ「損害」がないのだから、将来の収入の補償は受けられないと主張していました。

解決への流れ

裁判の結果、①被害者には過失はない、②将来の収入の補償、③後遺障害には該当しないものの被害者に遺ってしまった障害について慰謝料の増額が認められました。○過失割合について①示談交渉事件現場に赴き,事件現場の写真を多数撮影しました。刑事の裁判記録につき,取り寄せられるものを全て取り寄せ,分析しました。保険会社が2割の過失主張に終始したため,訴訟を提起しました。②訴訟事件現場の状況,刑事の裁判記録から認定できる事故の状況を主張・立証することはもちろん,本件事故がいかに特殊で危険な事故であったについて,裁判官に分かりやすく説明しました。その結果,当方の主張を全面的に認める形で「被害者には過失は全くない」との勝訴判決を頂きました。

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小川 政希 弁護士からのコメント

○ 過失割合「別冊判例タイムズ」という本を参考にして認定されます。これは,過失割合についての判断に全国的なバラツキが出ないように,東京地裁の交通部の裁判官が中心になって執筆した基準本です。但し,事件には1つ1つ個性があります。事件現場の状況や裁判記録を詳細に検討して粘り強く交渉することで,有利な過失割合を勝ち取ることが重要です。○ 逸失利益後遺障害が遺ってしまった場合、将来の収入に対する補償が受けられます。例えば、事故前に100%の力で仕事が出来ていたのに、事故によって73%の力でしか仕事が出来なくなったとします(=後遺障害12級は27%仕事がしにくくなったものと計算されます)。その場合「当時の収入×27%×仕事が出来る期間」の仕事の補償が受けられます。ところが、保険会社からは、実際に給料などの減収がない場合「収入が減っていないのだから将来の収入の補償は必要ない」と主張してくることがほとんどです。このような場合でも、怪我があって、どのように仕事に支障が生じ、また、将来生じうるかを、経験のある弁護士が裁判官に証拠を出すことで立証する必要があります。○ 後遺障害(非該当)例えば、顔の傷跡は「10円玉以上の傷跡」か「3cm以上の線」、歯が抜けたときなら「3本以上」でなければ、自賠責の後遺障害の基準には該当せず、「治ったもの」、「なかったもの」と同様に扱われます。しかし、10円玉以下の傷や2本の歯でも、被害者にとってみれば、辛い傷に変わりはありません。そのため、私は、後遺障害の自賠責の基準に達しない怪我についても、依頼者の方とご相談のうえ、できるだけ慰謝料の増額を請求したいと考えています。