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#後遺障害等級認定 . #人身事故 . #慰謝料・損害賠償 . #過失割合

【後遺障害等級5級相当】高次脳機能障害に対して5級相当の後遺障害が認定され,7,000万を賠償された事例

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星 順子 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人ONE本社オフィス
所在地山口県 下関市

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

Aさんは,70代女性で横断歩道を歩行中に自動車に衝突され,頭部を道路に強く受け付けられた結果,高次脳機能障害の診断を受けました。ご家族の方が,今後,母の介護をしていかなくてはならないため,不安を抱き相談に来られました。ご家族は仕事をしながら長期の入院とリハビリを余儀なくされたAさんの世話をしており,当面の介護費用はAさんの預貯金から支出おり,数十年もの間,介護しなくてはならないことや,Aさんの預貯金が底をつくことが予想されたため,すぐにでも対策を取りたいということでした。Aさんが70代と高齢であり,後遺障害等級が5級と判断されたことから,既往症が後遺障害に影響しているのではないか(被害者の素因の問題)という反論がされるだろうということが想定されました。また,将来にかかる介護費用についても,高額になることが多くこちらも争点になるだろうと想定していました。

解決への流れ

まず,治療終了後に後遺障害の等級認定手続へと進みました。高次脳機能障害の場合には,他の障害とは異なり,特別に準備をしなければならない書類があります。日常生活報告書などがそれにあたります。高次脳機能障害の場合には,人格変化や認知機能の低下の度合いで等級が変化するため,事故前のAさんがどのような人でどのような生活を送っていたか,今ではどのような人格になってしまったか,どれだけ介助が必要になってしまったかという点を証明する必要があります。事故前のAさんの状況を知っている家族やリハビリや看護を担当した病院関係者に日常生活報告書を作成してもらい,これに加えてそのような変化を医学的に証明するため医師に意見書を作成してもらいました。その結果,Aさんには5級の認定を獲得することができました。Aさんは高齢であったため,後遺障害逸失利益の金額はさほど高額にはなりませんでしたが,介護費用については施設へ入所して介護を受けていたため,施設の入所費用や認知症の治療を受け続けなくてはならないため,高額になりました。保険会社は,今後の治療の必要性はないことや,施設の費用が高額すぎることについて反論してきました。また,予想どおりでしたが,既往症が後遺障害に影響しているのではないかという反論もしてきました。結果としては,7000万円の賠償金を獲得することができ,介護費用には困らずにAさんは生活することができそうで,Aさんのご家族には満足頂けたと考えています。

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星 順子 弁護士からのコメント

高次脳機能障害は,症状の内容を本人が自覚していないことが多くあります。医師も同様で脳の損傷がMRIやCT検査で発見されても,被害者がそれによりどのように人格が変化してしまったか,事故前にどのような生活をおくっていたのかはわかりません。そのため,被害者本人が医師と面談しているだけでは,症状の程度に気づけないことも多く,家族が何かおかしいと感じた場合には医師に伝えて原因を探るなどしなければ,適切な後遺障害等級を獲得することが困難となる場合もあります。本件は,リハビリ期間中にご家族に相談に来て頂いたので,早期に弁護士が介入することができ,親族から本人の状況を細かく聞き取るとともに,医師面談,必要書類の準備を十分に行い,適切な後遺障害の等級認定を受けることができたという事案でした。「介護」は簡単ではありませんし,心身ともに大きな負担がかかりますし,経済的にも時間的にも多くの負担を強いられます。賠償金は今後の介護負担を大きく軽減してくれるものです。適切な後遺障害の等級が認定されなければ賠償金額も不十分となり,介護の負担が大きくなってしまいます。相談だけでも来て頂けたら,お力になれることは多くあると思いますので,悩む前にまず相談に来てはいかがでしょうか。