犯罪・刑事事件の解決事例
#過失割合 . #後遺障害等級認定

保険会社の提案額から500万円以上も増額した金額で解決した事案。

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藤井 宏治 弁護士が解決
所属事務所桜川法律事務所
所在地茨城県 桜川市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

歩行中の交通事故のご相談でした。ご相談者は歩行中に自動車に衝突されたことで脊椎の圧迫骨折を負い、治療を継続していました。ところが、保険会社からの治療費の打ち切りの連絡を受けたことで、今後の対応が不安になり、当職にご相談いただきました。ご相談時には、後遺障害の認定手続がなされていなかったため、保険会社が手続を行う事前認定ではなく、被害者のために有利な資料の添付ができる被害者請求で手続を行いうこと、後遺障害認定手続を行い、その後に保険会社との賠償交渉を行うべきとご説明し、当職が受任しました。

解決への流れ

当職から主治医に後遺障害認定に必要な記載事項を共有し、そのうえで後遺障害診断書を作成いただきました。その結果、無事、後遺障害等級8級相当の認定を受けることができました。しかし、その後、保険会社から提示された賠償額は、100万円程度とご依頼者の被害の実態に全く合致しない内容でした。そのため、適正な賠償を求めるために裁判所に提訴しました。保険会社側は訴訟で顧問医の意見書を作成したうえで自賠責保険が既に認定している等級自体やそもそも保険会社が認めていた治療期間も争うなど、これまで全く争点となっていなかった内容まで全面的に争ってきました。また、過失割合についても、物損での示談時に合意していた過失割合よりも、依頼者に不利な内容での主張をするに至りました。裁判での争点は多岐に及びましたが、当職と専門医で協力をして、保険会社顧問医の意見書に明らかな医学的な矛盾があることを指摘し、また、ご依頼者と一緒に現場を確認したうえで、いかにご依頼者の落ち度が小さかったかを丁寧に主張立証しました。裁判自体、回数は15回以上、期間は約3年ほどかかりましたが、裁判所は概ね当方の主張を前提とする和解案を提示し、保険会社もこの和解案を応じることを余儀なくされ、無事解決に至りました。

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藤井 宏治 弁護士からのコメント

弁護士として交通事故に携わっていると、被害者の方は2度にわたって深く傷つくということを痛感します。まず、交通事故による受傷で身体的に傷つき、その後、保険会社の対応で精神的に深く傷つくということです。本件でも長い裁判の中で保険会社からなされる種々の主張により、ご依頼者の方の精神的な負担は大きかったものと思われます。もっとも、そのような負担を抱えながらも、長期間に渡ってご依頼者とともに闘うことができたからこその本件の結果だったと感じています。被害の実態にあった適正な賠償を得るため、時には裁判を行わなければならない場合もあります。特に重度の後遺障害を負ってしまった事案では、弁護士にも医学的な知識やこれを法的な請求に盛り込める能力が必要不可欠です。皆様と一緒に闘うパートナーとあれるよう、日々研鑽を積む所存です。