この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
Xさんは,亡くなる5年ほど前に癌を発病し,闘病生活を送っていた。Xさんは独身であり,両親も既に他界していた。なお,兄弟姉妹はAさんも含めて他に8人いた。Aさんは,Xさんの近隣に住んでいたので,闘病生活を送るXさんの世話を行い,買い物や支払等を頼まれて行っていた。そして,Aさんは,Xさんの死後,Xさんの未払の治療費,葬儀費用,永代供養料,Xさん所有不動産の固定資産税等を支払った。これら立て替えて支払った費用の返済に充てるため,Xさん所有不動産を売却したいとの考えを持ち,登記の専門家である司法書士事務所を訪ねた。司法書士事務所では,他の相続人から相続分を譲渡してもらったうえで,単独登記に移し,不動産を売却する流れになるとの説明を受けた。そこで,法定相続人である7人の兄弟姉妹に対して,相続分を譲渡してもらうべく,手紙を送った。しかし,どうしてもBさんから了解を得ることができず,司法書士事務所から当事務所を紹介された。
Bさんから了解を得ることができないということから,すぐに遺産分割調停を申し立てることにした。第1回調停期日において,依然としてBさんから了解を得られないことが判明した。そこで,私たち弁護士は,そのBさんに対して三度にわたり,遺産分割の方法を提案する手紙を送った。しかし,何度手紙を送っても,了解どころか返事すらもらえなかった。そこで,3回の調停期日を経た後,結局,調停は不成立ということで終了し,審判に移行した。審判において,私たちは,AさんとBさんとの共有状態になっても,不動産の有効な利用が妨げられるだけで得する者は誰もいないので,了解を得られないBさんに対して,不動産の持分相当の代金を支払うことにより,不動産をAさんの単独所有にしてもらうよう主張した。
上記の場合、弁護士が間に入ることでスムーズな解決につながるケースもございます。上記のようなケースの場合は、弁護士へのご相談をお勧めします。