この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
父が亡くなり、兄弟3人で集まって、遺産分割をしようということになりました。遺言はありません。父の住む実家の近くに長男家族が住んでいましたので、長男が生前父の面倒を見ていました。父は、親から引き継いだ不動産からの収入などがあり、預貯金は結構あったはずです。しかし、長男が開示した父の遺産を聞いてびっくりしました。数千万はあると思っていた預貯金が、400万円ほどしかないのです。遺産分割は、父の面倒をみてくれた、長男が半分,残りを2分の1ずつということで、納得していましたが、総額については、納得できません。そういえば長男は普通の会社員のはずなのに、外車に乗ったり、家をリフォームしたり、羽振りがよかったです。長男が、父の財産を使い込んでいたのではないでしょうか?
こういったことは,多かれ少なかれ、世の中によくあることではないでしょうか?しかし,法的にみると、解決方法は様々ですし、きちんと解決できるかも事情によって大きく異なります。以下の☑にしたがって状況を確認しましょう。☑本当にお父様の財産は生前になくなっているのですか?これを確認するには、お父様の預貯金の取引履歴を銀行等で取得する必要があります。お父さんの生活状況からみて、不自然な出金などを確認しましょう。取引履歴は請求時から10年ほどしか保存されてないようですので、注意が必要です。☑お父様は、亡くなるまで認知症などで、物事の判断はつかなくなっていませんか?病院の診断書などでお父様の状況はわかると思います。最期までしっかりしていたのであれば、勝手な使い込みがあったとは言いにくいでしょう。ただし、遺産分割前であれば、特別受益として、長男が遺産分割で受け取る金額を少なくさせることができます。今回の場合はあまり意味がないかもしれませんが・・・不透明な出金の時期に既に認知症などになっていたのであれば、可能性は高まります。長男に出金の事情を確認しましょう。☑長男は納得いく説明をしてくれましたか?納得いかない場合には,弁護士に相談の上,裁判や調停をすることが考えられます。勝手な使い込みだとすると,お父様の預貯金が長男にとられたことになるので、お父様が長男に対して損害賠償請求する権利が、あなたに相続されたと考えて、お父様に代わって長男に損害賠償請求できることになります。実際の事件では,早い時期に、お父様が認知症で物事の判断ができなくなったことが認められ、それ以後の預貯金の引出が、一部は実家の修繕管理費用などお父様の意向に沿った預貯金の使用であったが,多くは、長男の家の修繕費や外車の購入費用などは勝手な使い込みとの判断がなされ、長男への請求が認められました。お父様が亡くなられてから、時間がたってしまうと、預貯金の履歴や病院の診断書などが取得できなくなりますし、そもそも記憶が薄れてしまいますので、納得いかない場合にはできるだけ早期に相談に来られたほうがいいでしょう。
上記の場合、弁護士が間に入ることでスムーズな解決につながるケースもございます。上記のようなケースの場合は、弁護士へのご相談をお勧めします。