この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
依頼者は、住宅を建てるために土地を購入したところ、同土地は建物を建てることができない区域の土地であったため、住宅を建てることができず、住宅ローンの支払だけを強制されていた(依頼者は、不動産販売業者に体よく騙されていた。)。その後、住宅ローンは完済したが、売主は、住宅ローン債権を別の金融業者に債権譲渡しており、その金融業者は、依頼者が完済したのに完済証明書を発行しないまま、株主総会決議により解散して消滅してしまった。依頼者は、建物を建てることができない土地であることが分かった後、同土地を売ろうとしたが、抵当権が付いているために売ることができなかった。
解決への流れ
消滅した会社を被告として、抵当権抹消登記請求訴訟を提起した。被告は消滅しているため、特別代理人選任申立てを同時にして、特別代理人に被告の訴訟追行をさせた。依頼者は、住宅ローンの完済を証明できないため、訴訟の中で住宅ローン債権の消滅時効を援用して住宅ローン債権を消滅させ、付従性により抵当権も消滅したとして、抵当権の抹消登記請求を認容する判決を得ることができた。
自分の土地なのに、住宅ローン債権のための抵当権がついているから、売ることもできないとして困っている依頼者でした。おまけに、売主であった不動産業者は、住宅ローン債権を金融業者に債権譲渡し、その金融業者は、解散して消滅していました。このような事案でも、判決を得ることによって、抵当権を抹消することができるので、あきらめずに、弁護士に相談してみてください。