この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ある企業から内定を受け,就労開始に向けて準備をしていたところ,突然内定を取り消されてしまい,収入のアテもなく,どうしたらいいか困っているとの相談でした。
解決への流れ
不当な内定取消と考えられましたので,内定が取り消されていないことを前提に(つまり,内定どおりに就職したことを前提に),その企業に対し,労働契約上の地位にあることの確認(従業員であることの確認)と賃金の支払いを求め,解決するまでの賃金相当額の支払いを受けました。
企業側は,都合が悪くなったり,少し気に食わないことがあると,安易に内定を取り消すことができます。しかし,内定は,簡単に取り消せるものではありません。やや専門的な説明をすれば,内定により,始期付き・解約留保権付の労働家役が成立し,内定を取り消すには,客観的・合理的な理由があり,社会通念上相当といえることが必要です(つまり,普通取り消されるだろうといえるような事情があり,取り消されても仕方ないといえるような場合でなければなりません。)ところが,内定取消がなされるにあたり,このような条件を満たしていないことが多いのです。本件は,理不尽な内定取消に対し,依頼者が「おかしい」という声をあげたため,法的な救済を受けることができました。おかしいと思う気持ちを行動に移せたからこそ,良い解決ができた事案といえます。